各化合物の毒性比較
以下の表は、一般的な淡水魚に対する各窒素化合物の毒性を示しています。LC₅₀(半数致死濃度)は、特定の時間(通常96時間)で半数の個体が死亡する濃度を指します。また、安全な濃度と有害な濃度も併せて示しています。
窒素化合物 LC₅₀(mg/L)安全な濃度(mg/L)有害な濃度(mg/L)
アンモニア(NH₃) 0.2 ~ 0.5 0 ppm >0.02 ppm
アンモニウムイオン(NH₄⁺) >1 0 ppm >0.5 ppm
亜硝酸イオン(NO₂⁻) 1 ~ 5 0 ppm >0.25 ppm
硝酸イオン(NO₃⁻) >100 <40 ppm >40 ppm
注:
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LC₅₀は魚種や個体差、曝露時間によって異なるため、あくまで参考値です。
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安全な濃度は、魚にストレスや健康被害を与えないとされる理想的な値です。
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有害な濃度は、魚に対して有害な影響(ストレス、病気、死亡)を引き起こす可能性がある濃度です。
pH とアンモニア・アンモニウムイオンの関係
pH の状態主に存在する形
高pH NH₃
中性 NH₃ と NH₄⁺
低pH NH₄⁺
pH 0~14におけるNH₃とNH₄⁺の比率
以下の表は、pH 0から14までの各pH値におけるアンモニアとアンモニウムイオンの比{-5}5.5×10−5
65.5×10−45.5 \times 10^{-4}5.5×10−4
75.5×10−35.5 \times 10^{-3}5.5×10−3
85.5×10−25.5 \times 10^{-2}5.5×10−2
95.5×10−15.5 \times 10^{-1}5.5×10−1
比率の解釈
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低pH(0~6):
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pHが低いほど、プロトン(H⁺)の濃度が高く、NH₃はプロトンを受け取ってNH₄⁺に変化します。
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比率が非常に小さく、主にNH₄⁺が存在します。
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中性付近(pH 7~9):
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pHが上昇するにつれて、NH₃の割合が増加し始めます。
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pH 9.26(pKa)付近では、NH₃とNH₄⁺がほぼ等しい割合で存在します。
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高pH(10~14):
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pHが高くなるほど、OH⁻の濃度が増加し、NH₄⁺はNH₃に変化します。
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比率が大きくなり、主にNH₃が存在します。
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